邦画『ICHI』
*演技派でハンサムな大沢たかおを貴方も見守りたくなる!
触れるものすべてを斬り捨て旅を続ける盲目の芸者・市。いつもひとりぼっちの彼女だが、ある出会いと、その後に待ち受ける過酷な運命が彼女の心を変えていく。日本を代表する時代劇『座頭市』がヒロインになって帰ってきた!綾瀬はるか演じる市を、優しい愛で包み込む十馬を大沢たかおが熱演。
最近はコメディーづいている綾瀬はるかだが本編ではシリアスな演技を見せてくれている。公開当時は殺陣の演技ばかりに注目が集まっていたが、本当の見所はそこではなく、彼女の「泣き」の演技に注目してほしい。曽利文彦監督は写真集「綾瀬はるかinICHI」のインタビューで「特に驚いたのは役になりきって涙を流すこと。芝居の流れの中で自然に泣くことができる女優」と綾瀬を評している。綾瀬は涙が欲しいシーンで涙が流れさえすればそれでいいという役者ではない。綾瀬の涙に対するこだわりは尋常ではない。その儚げな美しさをいかんなく発揮し、不幸な運命を背負った瞽女の哀しみを情感たっぷりに本当に役になりきって涙を流すから「ファーストテイク」が最もいい演技になる、だからそれを撮り逃せないと「ICHI」のカメラマンも言っている。綾瀬は涙を見るだけで価値のある役者です。本家の勝新さんや北野さん版の映画が好きな人達の評価は難しいとは思いますが、とても良くできた脚本で一級の娯楽作品。
出演:
【スタッフ】
監督:曽利文彦
原作:子母澤寛(小説家、随筆「ふところ手帖」の中の一篇が「座頭市」のもととなった)
脚本:浅野妙子「ラブジェネレーション」「神様、もう少しだけ」「大奥」「純情きらり」
音楽:リサ・ジェラルド(ハリウッドの巨匠、「グラディエーター」「ミッション・インポッシブル」
殺陣指導:久世浩(黒澤明作品の殺陣師)
主題歌:SunMin(ソンミン)