洋画『バートン・フィンク 』
■古びたホテルで行きづまっていく主人公。錯乱のなかの狂気を描く!
まず、ストーリーのユニークさ。スランプやらイライラ(蚊の音、壁紙、隣の音…)殺人によってバートンの神経がだんだんおかしくなっていく不気味さとブラックな笑いが面白い。正気とそうじゃないことって紙一重だったるするのですよね。それは隣室のチャーリーの正体にもいえることですが…。
そしておすすめなのが映像美。とくに古びたホテルが最高。灯のともった長い廊下はクライマックスの火だらけのシーンでもすごい迫力。行きづまったバートンの心から見れば抜け出せないトンネルのようにも見えます。小汚い部屋も、はがれてくる壁紙もバートンの真理にはピッタリのムード。このホテルはいわばもう一つの主人公と言えるほどです。
出演:
ジュディ・デイヴィス
など
監督: ジョエル・コーエン