@ Cinema Port

こころにひびく映画紹介

洋画『マルコムX』

デンゼル・ワシントン主演でマルコムXの生涯を描いた伝記ドラマ。

伝説の黒人解放運動指導者マルコムXの生涯を描く。チンピラだった少年時代から、ブラック・モスレス教団の牧師へ、そして教団から離れ新しい運動を始めた直後の暗殺まで。マルコムとはどんな人間だったか、彼の唱えた解放とは!?力作です。

 

マルコムXの自伝を映画化したもので、内容としてはよくできている。白人はアフリカから黒人を拉致しレイプし嬲り殺し奴隷にし、文化も歴史も誇りも言葉も名前も奪った。その罪を真正面から見ずに嘘やごまかし、偽善行為でやり過ごしていた白人たちにその悪魔的行為の歴史を真正面から糾弾し偽善や嘘をあばこうと戦った。彼の母には白人の血が半分流れている。白人のレイプで産まれたからだ。彼の父は黒人解放運動家でKKKの白人たちに殺され、母親は気を病み、最終的に一家は離散した。彼の人生そのものが白人たちの罪の証明でもある。その風貌や名前からして怪しげな人物だと思われ、よくキング牧師とは対照的に、暴力的手段も辞さずに過激な黒人解放運動を指導した、くらいの認識の人も多いだろう。しかし、この映画を見たらその認識が180度変わります。結局のところ彼は利用されただけなんですね…。時代に翻弄されたその悲劇的な人生を見ていたら、何とも心が痛みました。当時の記録映像も交えながら、最後はネルソン・マンデラ氏が登場してメッセージを発するなど、人種差別について考えさせられる作品にもなっています。アメリカを知る上でも見ておきたい最重要作品の一つだと思います。

 

 

 

マルコムX [DVD]

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出演: デンゼル・ワシントンアンジェラ・バセット、他

監督: スパイク・リー