洋画『プリティ・リーグ 』
■スカッと痛快!女性だけのベースボール・ムービー
舞台は第2次大戦中のアメリカ。男たちはみんな戦場へと駆り出され、大リーグの選手も例外ではなかった。このままでは”アメリカの心”とも言うべきプロ野球が消滅してしまうと考えた大リーグ・オーナーのバービーは、女性だけの野球チームを作ろうと決意。カナダを含む全米各地のソフトボールリーグから凄腕のプレイヤーをスカウトして”全米女子プロ野球リーグ”を発足する。
映画はドティとキットという選手姉妹の葛藤を軸に、この女子プロ野球の短かった歴史を描く。選手はみんなミニ・スカート、しかもプライベートはコミッショナーによって厳格に管理されるという、今ならセクハラのような待遇の中で、好きな野球に打ち込む選手の姿は輝いている。そしてクライマックスである第1回のワールド・シリーズへと物語は進んでいくのである。
女流監督は『ビック』『レナードの朝』のペニー・マーシャール。彼女は女性選手たちの活躍と勝ち進むチームをはずむようなテンポで描写しているだけでなく、彼女たちの抱える試練や葛藤まできちんと描いて見せている。ラストで数十年ぶりに再会する、老いた選手たちをマドンナが歌う「マイ・プレイグラウンド」が優しく包み込む。その歌詞に涙。物語のツボを押さえた演出ぷりはさすが。主演はジーナ・デイビス,、マドンナ、ロリ・ペティ、トム・ハンクスなど、個性豊かなキャスティングも魅力的。観ると元気の出る映画です。
《監督》 ペニー・マーシャル
《製作》 ロバート・グリーンハット