洋画『オセロ / シェイクスピア名作映画集』
■1948年、幻の名作といわれた
オーソン・ウェルズの「オセロ」が40年ぶりに復刻される
オセロはヴェニスのムーア人。妻の名はデズデモーナ。将軍であった彼は、数々の戦争で名を馳せ、市民の尊敬を集めていた。しかし猜疑心の強いオセロは、家臣のイアーゴーから妻が別の家臣と不義の関係にあるという密告を受けると、罠とも気付かずに完全に信じ込んでしまう。オセロは妻の貞操を疑い、嫉妬し、嘆き、そして最後には……。
オーソン・ウェルズは、その生涯で シェイクスピアを3度映画化している。『マクベス』『オセロ』『フォルスタッフ』である。意外に思うかもしれないが、8歳で『真夏の夜の夢』を朗読したというウェルズとシェークスピアの関わりは深く、晩年映画化を夢見て果たせなかった『リア王』まで、全生涯を通じ途切れることなく連綿と続いている。
今回紹介する『オセロ』は、ウェルズが役者としても脂ののりきった37歳の時の作品で、1954年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞しながらも、なぜか短期間しか公開されず、日本にいたっては未公開のままプリントが行方不明になって幽閉されたままになっていた。理由は、異端児的存在であった彼の言動について当時からさまざまとりざたされていた…。今回、”パリのどこかのホテルの戸棚に置き忘れられた”といわれたネガがアメリカの現像所の倉庫から発見される、という経緯からして、いかにも『フェイク』の監督らしいが、ドルビー・ステレオによる再録音を加えて完全復元された。シェイクスピアの古典劇を息を飲む大胆な映像美とスピード感は決して40年前の作品とは思えない。
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製作年:1948年
出演: オーソン・ウェルズ、シュザンヌ・クルーティエ、ロバート・クート、マイケル・まクラマー
監督: オーソン・ウェルズ