「映画になった本」05…アヒルと鴨のコインロッカー
文字のみで描かれる小説は、自分の中でイメージが膨らんでいくもの。
それが映画になったときに、監督の視点でどう描かれるのかに注目して、見てみよう!
本と映画、どちらから体験しても、きっと新鮮な発見があるはず!
近年の話題作から誰もが知っている懐かしの名作まで、
原作と映画ともに魅力的な作品を、ブック&シネマラバーである、うろこ&Arikaが独自の目線で交互にセレクト!
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) (2006/12/21) 伊坂 幸太郎 商品詳細を見る |
椎名という大学生の現在の物語と琴美という女性の2年前の物語が同時に描かれる、カットバック形式の小説。
伊坂幸太郎の5本目の長編。
2003年11月、東京創元社の叢書ミステリ・フロンティアの第1回配本作品として刊行。
2006年12月、創元推理文庫に収録された。
第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
STORY
椎名は引っ越し先のアパートの隣人・河崎に「本屋で広辞苑を盗まないか」と誘われる。断りきれなかった椎名は本屋から広辞苑を奪う手伝いをさせられてしまう。その計画の後、河崎やペットショップの店長をしている麗子から2年前の話を聞かされることになる。
2年前の物語は琴美、その恋人であるキンレィ・ドルジ(ブータン人)、河崎、麗子を中心に展開する。世間で多発しているペット惨殺事件の犯人たちに出会ったことにより、琴美が目を付けられてしまう。琴美は何度も襲われるが、ドルジや河崎に助けられ、逆に犯人たちを捕まえようとする。
2年前の事件と現在の本屋襲撃が次第につながっていく
実写映画化
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アヒルと鴨のコインロッカー [レンタル落ち] (2009/01/01) 濱田岳、 他 商品詳細を見る |
2003年12月6日初公開。
廣木隆一監督。
同名の小説が原作で、wikiによると原作者の赤坂真理さんは「男の人のちょっと荒い感じと大きな包容力と、その二つの矛盾する質を矛盾無く一つの体に共存させている男」と南朋さんを絶賛しています。
【役名/キャスト】
椎名/濱田岳 主演
河崎/瑛太 主演
ドルジ/田村圭生
琴美/関めぐみ
謎の男/松田龍平
麗子/大塚寧々
椎名の母/キムラ緑子
椎名の父/なぎら健壱
関西弁の学生/藤島陸八
免許のない学生/岡田将生
ペット殺し・江尻/関暁夫(ハローバイバイ)
ペット殺し・男/杉山英一郎
ペット殺し・女/東真彌
バスの運転手/眞島秀和
犬がほしい女/野村恵里
仙台弁の書店員/平田薫
警官/寺十吾
警官/恩田括
【スタッフ】
監督・脚本:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
脚本:鈴木謙一
撮影:小松高志
照明:松岡泰彦
音楽:菊池幸夫
製作委員会メンバー:アミューズソフトエンタテインメント、スカパー・ウェルシンク、デスペラード、ダブ、読売広告社、東日本放送、河北新報社
配給:ザナドゥー
♪劇中歌
「風に吹かれて」(ボブ・ディラン)
ストーリー全体を通じて重要な役割をはたす。また、エンディングソングでもある。
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繊密な構成で魅せる謎解き&人間ドラマ。
伊坂幸太郎さんらしい繊密な構成のミステリー。原作では過去と現在が交互に描かれ、全編を通して謎解きの要素がちりばめられていますが、映画は現在を主軸にして謎は前半で解決。その分後半は人間ドラマに比重を置いていて、構成の違いが楽しめますね。原作で物語のカギとなるボブ・ディランの曲は映画でも感動的に使われています。